3月23日、春の光が差し込む穏やかな日、日立市立平沢中学校で「お別れ会」が開かれました。
一般社団法人地方創生戦略研究所(地創研)は、ドローン撮影を通して、平沢中学校の歴史を後生に伝えるお手伝いをさせていただきました。
昭和23年、1948年に開校して以来、地域と共に歩んできたこの中学校は、今年3月をもってその歴史に幕を下ろします。少子化と学校再編の流れの中で、市立駒王中学校との統合が決まり、新年度からは新たな「駒王中」として再スタートを切ることとなります。
3月11日には、最後の卒業式が行われました。卒業生はわずか12人。けれども、その一人ひとりが、平沢中という学び舎で過ごした日々に誇りを持ち、堂々と卒業証書を受け取っていく姿には、胸を打たれました。渡辺和重校長は式辞で、「未来を切り開くべく今後も学び続けてほしい。多様な価値観を受け入れ、自分を大切に生きてほしい」と温かく、そして力強くエールを送りました。
卒業生代表の石川真生さんは答辞で、「毎日が宝物の日々だった」と語り、この学校で受け継がれてきた思いや絆は決して消えることはないと述べました。式の最後には、卒業生たちによる合唱が行われ、会場には深い感謝と別れの情感が静かに広がりました。
そして本日、卒業生の有志の皆さんの呼びかけで開かれた「お別れ会」には、在校生や保護者、歴代の卒業生、そして地域の多くの方々が集まりました。
会場となった体育館では、それぞれが当時の思い出を語り合い、懐かしい友との再会に笑顔があふれていました。まさに、平沢中学校が地域と共に存在してきた証であり、その存在がいかに多くの人々の心の支えであったかを改めて実感しました。
平沢中学校は、単なる「学校」という枠を超えて、地域の学びと絆の中心でした。防災拠点として、また地域行事の場として、世代を越えて人々をつないできました。その役割はこれからも、新たな形で次の時代へと引き継がれていくことでしょう。
校舎は閉じられても、ここで過ごした日々、学び、出会い、そして支え合ってきた記憶は、卒業生一人ひとりの人生の礎として、これからも生き続けます。平沢中学校、76年間、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
(卒業式での挨拶は、地元紙茨城新聞からの引用です)