日立の100年の歴史を次世代に繋ぐ・紙芝居「大煙突とさくらのまち」原画展開催

原画展の会場前ディスプレー
 4月5日から10日までの5日間、紙芝居「大煙突とさくらのまち」原画展が、日立市角記念市民ギャラリー(日立市弁天町)で開催されました。
 日立市と市民グループ『大煙突とさくら100年プロジェクト』が共催し、地創研(一般社団法人地方創生戦略研究所)も全面的に協力しました。
 日立市では、市民グループが子どもたちに地域の歴史を伝えようと、大正時代に建てられ市のシンボルとして親しまれてきた大煙突などを題材にした紙芝居「大煙突とさくらのまち」を制作して、小学校に寄贈したり、市内で上演会を開催したりするなどの活動を行っています。

原画展の模様
 今回、その原画を展示する原画展では、紙芝居の原画16枚と、大煙突をはじめ当時の市内の様子を映した写真およそ20点が展示されています。
 原画には、大煙突は150メートル余りの高さがあり、煙害を克服するために建設されたことや、煙害から山の環境を回復させるためにサクラが植えられたことなど、日立市の歴史が柔らかなタッチのイラストで描かれています。
 また、市民が撮影した当時の写真を集めたコーナーでは、大煙突をすぐそばで撮影した写真やヘリコプターで上空から撮影した写真のほか、鉱石を運んでいた列車の写真などを展示しました。
 この原画展には、延べ902人の方が来場されました。
 「日立の歴史を改めて学ぶことが出来た」「記憶の彼方にあったものが、昨日のことのように思い出すことができた」「大煙突を建てた先輩の姿から、現在の大きな課題に冷静に対応することが出来た」「鉱山電車の線路跡を実際に歩いてみたい」など、様々な感想を頂戴しました。
 また、10日開催した紙芝居「大煙突とさくらのまち」上演会にも多くの方々にお集まりいただきました。ETCひたちのメンバーのパフォーマンスに、お子様からお年寄りまで、おもしろかった、感動したとの声をいただきました。特に、まえのうち児童公園で行われた野外公演は、大団円に大きな拍手と歓声が上がりました。


【紙芝居「大煙突とさくらのまち」原画展にあたって】
 100年も前に日立であった史実をもとに、紙芝居「大煙突とさくらのまち」を作成しました。
 鉱山の煙害克服のため、企業と地域の人たちが真摯に話し合いを進め、世界一の大煙突を建設。自然回復のために耐煙木の植林・オオシマザクラ、染井吉野を植えていき、企業・住民・自然の共存共栄を成し遂げたという歴史を物語った作品です。
 現代のSDGsのモデルといっても過言でない、世界に誇る史実がこのまちにあったことを、次世代に語り継いでいきたいと願っております。
 ものづくりの原点、さくらのまちの原点となる史実を100年後の未来まで伝えていくために、「大煙突とさくら100年プロジェクト」を組織して活動を始めました。
 展示会は、紙芝居の原画とともに、この作品の背景となる大煙突とさくら、鉱山電車、自然が回復されていった風景などを見ていただき、ふるさと日立を語り合う機会が生まれること願っております。

大煙突とさくら100年プロジェクト

原画展
【大煙突とさくらのまち 原画(16枚)】
脚本:佐々木 ひとみ
日立市出身、仙台市在住。児童文学作家『ぼくとあいつのラストラン』(ポプラ社)で椋鳩十児童文学賞を受賞。 
絵:栗城 みちの
福島県奥会津出身、仙台市在住。
1990年頃よりフリーイラストレーターとして活躍。

【鉱山電車写真】  
・鉱山電車 助川~芝内 諏訪台の切通しを走る 電車
・杉本停留所付近下り電車<朝の通勤・通学、町へ向かう下り電車>
・大雄院停留所<大雄院の鉱山事務所前>
・大煙突と本山石灰山社宅<通称・飛行機長屋>
・助川に向かう花電車
「コート日立写真館所蔵」

【大煙突写真】
撮影:樫村 博康
元精神科医。大煙突の魅力に惹かれ1986年から診療の合間に撮影をはじめ、ヘリコプターで大煙突を空撮した映像「大煙突賛歌」をまとめた。
・大煙突基部―煙突と人の対比
・煙道から撮る
・青空に煙たなびかせる
・達磨煙突と煙道
・雲海に浮かぶ大煙突
・夕暮れの大煙突
・円筒からの煙
・大島桜と煙突<角弥太郎の植えた大島桜>
・高速道路と大煙突
・改装前の日立駅案内板

【共楽館写真】
・正面唐破風の共楽館
・二階階段
・格天井

【大煙突マップ】
大煙突とさくらをめぐるまちあるきマップ
制作:メディアクラフト