新潟県村上市に“ムービングハウス”を活用した仮設住宅を建設


 令和4年8月豪雨で、大きな被害を受けた新潟県村上市に、“ムービングハウス”を活用した仮設住宅が建設されています。土石流の被害を受け避難指示が長期化する恐れのある小岩内地区の33世帯が対象です。
 8月22日に建設が正式に決定。8月27日からムービングハウスの設置が始まりました。設置工事はわずか3日間で完了。現在、上下水道、電気、プロパンガスなどの設置工事が行われており、9月中旬に入居が始まる予定です。
 ムービングハウスを仮設住宅に採用するにあたっては、一般のプレハブ仮設と比べて、工期が3分の1程度に短縮できること、保温性や気密性が高く、冬場の強風や積雪に対応できること、耐久性が高いことから繰り返し使えることなどが高く評価されました。
 ムービングハウスを活用した仮設住宅は、倉敷市真備町(H30年7月)、北海道安平町・むかわ町(H30年9月)、茨城県常陸大宮市(R1年10月)、熊本県球磨村(R2年7月)に引き続き5例目となります。



 8月3~4日に、新潟県の北部地域は、線状降水帯による記録的な豪雨に見舞われました。
 特に村上市小岩内地区は、土石流で住宅5棟が全損壊するなど、深刻な被害見舞われました。小岩内地区に甚大な被害をもたらしたのは、山から沢伝いに流れ込んだ土砂や流木でした。
 土石流の原因は大沢と呼ばれる沢。砂防ダムを乗り越えた土砂と流木が、一挙に住宅に襲いかかりました。
 砂防ダムは、新潟県が管理。高さ11.5メートル、長さ59メートルの規模です。1969年に完成し、土砂をせき止めることで山の傾斜を緩やかにし、大雨が降った際に土砂が下流に流れ出す勢いを弱める機能があります。
 この砂防ダムは、大量の土砂で覆われ、周囲数百メートルにわたって巨木が何重にも積み重なっています。
 8月28日、午後4時頃。砂防ダムを上空からドローンで撮影しました。なお、被災された方のプライバーシー保護のため、集落上空の撮影は行っていません。