移動式木造住宅(ムービングハウス)の社会的備蓄拠点が小美玉市に完成

防災家バンク小美玉研修所
 移動式木造住宅(ムービングハウス)を活用した防災拠点「防災・家バンク/小美玉研修所」が、茨城空港にほど近い小美玉市野田に完成し、2月10日開所式ならびに内見会が盛大に開催されました。
 「防災・家バンク/小美玉研修所」は、北海道千歳市に本社を置く(株)アーキビジョン21が開設。移動式木造住宅(ムービングハウス)を、42棟を組み合わせて作られた民間研修施設です。この研修所は、平時は宿泊型の研修施設として活用し、大規模災害発生時には、建物をコンテナ型のユニットに分けて被災地に運び、災害復旧拠点施設、避難所、仮設住宅などに活用します。
 移動式木造住宅(ムービングハウス)を使った仮設住宅は、従来のプレハブ型のものを建設するのに比べて大幅に工期が短く、被災者がいち早く生活再建に取り組むことができるため全国的に注目されています。茨城県内では、昨年10月の台風19号の被害にあたって、仮設住宅として常陸大宮市で使われています。災害発生からわずか8日間で被災者が入居できるようになりました。現在、北海道や長野県、それに宮城県が災害時のために備蓄を保管しています。
 開所式での主催者あいさつ、来賓のあいさつを動画で紹介します。



 丹野正則社長は「こうした施設が一つでも多く普及するように頑張りたい」とあいさつ。さらに、丹野社長は「建物の寿命は百年。プレハブ型は2年~3年で建物を解体処分してしまうことを考えると、50分の1程度の建設予算で済む」と語りました。「断熱性や気密性、遮音性などに優れており、災害時の健康被害などを減らせるはず。拠点を設けることで多くの人に実際に泊まってもらい、快適性を実感してほしい」と訴えました。

 来賓を代表して島田市長は「全国各地に、社会的な備蓄拠点を設置する構想がある中で、ほかに先駆けて小美玉市に設置したのは喜ばしい」と挨拶しました。


 また、額賀衆議院議員は「(東日本大震災など)大規模災害時に住む環境を作ることは、最も大切なこと。様々なアイデアを出し合い、技術を結び被災者の住宅を確保していくことが重要だ」と強調しました。


 さらに、石井衆議院議員は「実際にムービングハウスを視察した。(モービングハウスには)3つのメリットがある。スピードが極めて速い、間取りの柔軟性がある、居住性が優れているという3つ。一方課題は、あらかじめ作っておかなくてはならず、ストックしておく場所が必要になる。この意味で、小美玉の防災家バンクの取り組みは一石二鳥のやり方で、社会的にも意義がある」と語りました。