
1月15日、筑西市が一般社団法人日本ムービングハウス協会と、「災害時における応急仮設住宅(移動式木造住宅)の建設に関わる協定」を締結しました。
日本ムービングハウス協会は、動く木造建築物という独自の技術を、日本全国へ普及させ、地域社会の発展に貢献することを使命として、2016年3月に設立されました。現在では参加企業が約70社にまで広がり、今後も増加が見込まれています。その活動は着実に自治体からの信頼を積み重ねており、災害時におけるムービングハウス建設に関する協定を結んだ自治体は、全国で220に達しています。今回の筑西市との締結により、茨城県内では21自治体目となりました。

ムービングハウスの実績は、数字だけでなく、実際の被災地支援の現場で積み重ねられてきました。昨年の台風被害では、八丈島に6戸の応急仮設住宅を供給し、初めて離島での仮設住宅建設という難しい挑戦にも取り組みました。また、一昨年1月に発生した石川県能登沖地震では、応急仮設住宅511戸に加え、約100人が利用できる宿舎、学生寮、さらには仮設店舗まで含めた多面的な支援が行われました。2018年の西日本豪雨災害以降、これまでに8回の自然災害支援に携わってきた実績は、ムービングハウスが単なる「建物」ではなく、「暮らしの再建」を支える仕組みであることを物語っています。
さらに注目すべき点は、ムービングハウスが災害時だけの存在ではないということです。感染症対策施設など、平常時においても多様な用途で活用されてきました。そして役目を終えたムービングハウスは、解体されて終わるのではなく、新たな仮設住宅や災害対応施設、さらには宿泊施設として再利用され、形を変えながら社会に貢献し続けています。今年秋に開催されるアジア・アジアパラ競技大会の選手村に採用されていることも、その汎用性と信頼性の高さを象徴する出来事です。
今回締結された協定は、災害発生時に、被災者の方々が生活の拠点とする応急仮設住宅を、迅速かつ効率的に建設することを目的としています。被災直後の不安と混乱の中で、「安心して眠れる場所」が早期に確保されることは、心身の回復、そして生活再建への第一歩となります。日本ムービングハウス協会は、ムービングハウスの力を最大限に活かし、安全で快適な住環境を提供することで、被災者の皆さんが一日も早く日常を取り戻せるよう、全力で取り組んでいくとしています。
また、この協定は災害時だけで完結するものではありません。平常時から地域の発展や防災・減災に向けた取り組みを自治体と共に進め、備えを積み重ねていくことも大きな柱となっています。災害が起きてから慌てるのではなく、日頃から顔の見える関係を築き、仕組みを整えておくことこそが、真に強い地域をつくるのだと思います。
筑西市と日本ムービングハウス協会の今回の協定が、地域の安心と安全を支える大きな礎となり、他の自治体にも広がっていくことを期待しています。

